コンボウ(樹皮絵画)作家アグスティヌス・オンゲ氏作品『神の食』インドネシア最東端のイリアンジャヤ(Iria Jaya)州の北海岸、州都ジャヤプラ(Jayapura)に隣接するセンタニ(Sentani)湖に暮らすセンタニ人は、古くから近年まで、樹皮を衣服の素材として応用してきました。まさに天然繊維です。南太平洋一帯では、樹皮は「タパクロス」として広く知られています。センタニでコンボウ(Konbouw)と呼ばれる神聖な樹木から作った樹皮は、現代では絵画用のキャンバス地や、帽子・ハンドバッグ・ジャケットの素材などとして利用されています。ことに、コンボウ絵画は、素材が持つ素朴さと、宇宙的な絵画のモチーフによって、最近欧米諸国や豪州の一部コレクターの間で人気が急上昇中です。写真のコンボウは、センタニ地区で最も有名なコンボウ画家であるアグスティヌス・オンゲ氏(1954年生まれ)の作品です。左右の亀を象ったモチーフは、センタニでは食が豊かになり、それによって子供が健やかに成長することや長寿を願って描かれます。同時に病気にならないように、という願いも込められています。また亀の左右に付いているの鳥の足をかたどるモチーフは家庭の食卓が満たされることを意味します。また魚は富の象徴とされ、金運の向上を願って描かれます。周りに多数描かれているトカゲは狩猟の守り神。現代では事業や学業の成功を願って描かれます。サイズは横110cm、縦84cm。製作は2000年。三枚目の写真は、2000年10月にインドネシア文化宮(GBI)が首都ジャカルタで開催した『パプア文化芸術展』に参加したオンゲ氏。コンボウの製作過程を披露しました。オンゲ氏は、1998&1999年にイリアンジャヤのアーティスト代表として、オーストラリアのダーウィンで開催された芸術祭に参加、また、2000年10月にインドネシアの首都ジャカルタでGBI(インドネシア文化宮)が主催した『パプア文化芸術展』にも参加、その作品群は地元マスコミの絶賛をあびました。インドネシア文化宮 GBI=Graha Budaya Indonesia)は、インドネシアの24時間ニューステレビ局『メトロTV』東京支局がプロデュースするインドネシア情報発信基地です。インドネシア文化宮ブログサイト:http://grahabudayaindonesia.at.webry.info/