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薬師寺再建 千年の釘

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薬師寺再建にあたり製造された釘。
箱入り。

ヒノキの柱は千年以上もつが、現代釘の耐用年数はせいぜい30年。製鉄所で作った現代鉄では、千年はもちません。
 古代の釘は、砂鉄を原料に、たたらという技法でつくられ、純度は99%以上あり、錆びにくい。しかし、高炉で大量生産される現代鉄には不純物が多く、腐食とともに釘の機能を失ってしまう。また、炭素割合の加減で、硬すぎるともろく、軟らかすぎると木に打ち込めない。和釘の形状は、法隆寺などの解体修理現場から出たものを基準に高純度鉄、白鷹さんによって千年の釘は再現。和釘をみると、その形は、現代釘とまるで異なる。現代釘は洋釘と言い、明治期に伝来したものである。一方、和釘は、薬師寺の白鳳型ならば先端は細く、真ん中は表面がでこぼこして膨らみがあり、頭に近い部分は再び細くなっている。その理由を白鷹さんが次のように説明してくれた。
 「木に釘を打ち込むと、木と釘の間に隙間ができる。木の繊維は、元に戻ろうとする性質で膨らみ、隙間を埋めて密着する。頭の部分が錆びて胴体だけになっても、釘は抜けません」
 白鷹さんの和釘の話を聞きつけた全国の宮大工たちが和釘を求めるようになった。錦帯橋(山口県)架け替え時には、棟梁が何度も訪ね、薬師寺と同じ材質の和釘が18,000本鍛えられた。県内では、松山城天守閣修理や大洲城天守閣復元、愛媛県武道館建築に白鷹さんの鍛造した和釘が使われている。

商品の情報

カテゴリー:その他>>>アンティーク/コレクション>>>工芸品
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